こんにちは、米屋辰五郎です。
鉄製の日常品って身の回りであまり見なくなりました。将来は、さらに珍しいものになり、錆という現象も忘れ去られるかもしれません。また、鉄のポジションに取って変わったプラスチックも、石油由来のものから植物由来のPLAのような素材に置き換わるかもしれません。
例えば苔は、美として認識されてます。そのような感じで錆びも愛でられるかもしれないと妄想してみると、PLA製品に鉄と錆びの風情を施すというのもありかも知れない。
と思いまして、何の意義もないかもしれない工作を始めます。
さて、身近にあるコンセントカバーを見てみると、つるつるでピカピカ、しかも低価格と、工業製品って凄いんだなと改めて実感します。さてさて、今回は、このパーツをわざわざ、鉄っぽくして錆を施すことになります。
先ず、現物のコンセントプレートをノギスで測ってCADでモデリング。爪の部分は造型が難しそうなので、コンセントプレートの爪を利用することにし、造形物をコンセントカバーに上から貼り付けることにしました。
さらに今回は、錆を錆らしく見せたいため、表面にそれらしいモールドを加えたいと考えました。つるつるの表面とは間逆の凸凹表面です。
というわけで、Touch3DStylus と付属ソフト Cubify Sculpt 3D designを使用して、表面の凸凹処理を施すことにしました。
使い方は簡単。CADデータをSculpt3Ddesignに読み込み、Stylusを手に取り、画面上のコンセントプレートにペン先を当てて行くだけ。このソフト、最小限の機能のみ搭載されてるようで、設定は簡単です。今回、素材は鉄の想定なので、硬さをマックスに。フィードバック機能が心地よく、ガリガリと削って行く感じが癖になります。使い方に慣れてないのか肩は懲りますが…
ランダムな傷や穴を付けて行くのですが、感性の赴くまま、あっという間にそれらしいモールドが出来ます(自己満足の範囲で)。
データが出来たらSTLで書き出し、さっそくプリント。フィラメントはPolyMaxを使用しました。造型が完了したら、コンセントカバーに貼ります。接着剤は、ロックタイトDPL-030を使用してます。PLAとの接着は、いろいろな商品を試しましたが、この商品が今の所ベストです。
プラモデル用塗料で鉄っぽく塗装します。その際、1色ではなく何色か重ねると良い感じです。基本的に、凹んでいる部分は暗く、凸の部分は明るく塗ります。
最後に錆の塗装を施します。パステルを百円ショップで買った茶漉しで削り、粉末状にし、タミヤのアクリル用塗料用材で溶いて使います。パステルは、粘性の少ないファーバーカステル社のソフトパステルを使ってます。ここでも、茶色から赤系統の数色を組み合わせると、より錆っぽくなります。あとは、感性に任せるままに、やり過ぎないようにしながら塗って行きました。
コンセントカバーを取り付けてみました。表面の削り具合で、光の当たり具合が変わるようです。つるつるの工業製品とは異なる、凸凹表面+錆(偽装ですが)もまた違った味わいがあるかもしれません。